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■ユーザー層の把握

 マーケットにいる消費者は誰か、というと、今の時点では若年層がメインです。お金の感覚は多少ルーズですが、あまり沢山持っているわけではありません。また、求めるものもゲームやアバター、デコメなど、『暇つぶし』が大きな必要素です。それに、コミュニケーション。
 それらをうまく取り込んで大成功したのが、『モバゲータウン』をはじめとする、ゲームSNSなどと言われるような無料サイトです。広告収入だけで運営することになりますが、少なくとも10万人程度のユーザーを集めなければ、なかなか軌道に乗せることは出来ません。
 その無料ユーザーを集めるためにアフィリエイトなどに100円程度の単価をかける必要があったりするため、広告費だけで1000万円程度は見ておくほうが安全です。なんだか蛇が自分の尻尾を食べるような話ですが、ユーザーを集めるのは大変なのです。よほどのキラーコンテンツを持っていれば、広告費は大きく削減できますが、それは誰にでもあるものではありません。
 また、ユーザーを楽しませるコンテンツと、その興味を維持するコンテンツの追加が必要になります。制作費はユーザーの人数とは関係がありませんから、ユーザー数の多いサイトほど、相対的にユーザーに掛かる単価は安くなりますが、ユーザー数が少ないうちは、広告収入もそれほど無いため、持ち出しで数ヶ月程度耐えられる予算を用意しておく必要があります。

 話をユーザー層に戻しますと、お金をあまり使わない、あるいは賢く使わない若年層の次に多いのは、20代後半から30代の、必要なものにある程度お金を掛ける層です。彼ら彼女らの求める実用的、あるいは価値のあるものを携帯電話を通して提供しようと考えると、携帯電話のデバイスとしての性質や性能から、その種類は自ずと限られてきます。
 例えば『音楽』や『キャラクター』『電子書籍』『乗り換え案内』『おいしいお店情報』などが挙げられますが、共通して言えるのは、その版権や著作権、あるいは取材や調査などに少なからぬコストが掛かるコンテンツであるということです。


■ユーザーの獲得

 参入する立ち位置を決め、運営サイトの内容が決まれば、当然集客が必要になります。
 ざっくりとですが、有料サイトの場合、獲得単価はおよそその月額単価の2倍程度掛かります。では、無料サイトは黙っていてもユーザーが参加してくれるかというとそうではなく、1ユーザー獲得あたり、平均100円前後のコストを掛けるのが普通です。
 これについては前にも書きましたが、なぜ無料サイトでも集客にお金が掛かるのか、あるいは、掛けるのかを理解していただくためにもう一度書きます。
 無料サイトでこれほどのコストをかけて集客するのかといいますと、無料の媒体サイトを運営して、広告料収入でビジネスを続けるには、どんなに少なくとも10万人のユーザーが必要になります。少し前までは、無料である程度のコンテンツをそろえたサイトであれば、黙っていてもそれなりに集客が見込めたのですが、現在では『無料サイト』が過当競争になり、広告収入を得るために多額の広告費を掛ける、という時代になっています。有料サイト運営者、無料媒体サイト運営者、それに広告代理店までが、まるで生態系が乱れた上に生物が大発生してしまったような環境のような状態に陥り、誰が誰を糧にしているのか、あるいは誰と誰が共生しているのかわからないような状態です。
 こんな状況は長くはないとも言えますし、短いスパンで見ると、まだまだ混沌とした状況は、しばらく続くとも言えます。
 なぜなら、現状のプレイヤー達はこの状況に疲弊し始めている反面、まだまだ外から資本の投入が当面続くからです。先にも書いたように、携帯電話のコンテンツ産業は全体として延びる余地を大きく残しており、エネルギーは潤沢に投入され続けられると思われます。


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