■広告媒体はどこから収入を得ているのか
では公式サイト運営者以外は、どのように収入を得ているのか、というと、先ほど書いたとおり、広告収入がメインです。ではその広告出稿者は誰かというと、公式サイト運営者が大きな割合を占めています。
当然、テレビコマーシャルをうつような大きな広告出稿者などもいますが、その話は少し置いておき、この『公式サイト運営者が広告出稿する』という点を詳しく書きます。
なぜか、それは、いま携帯電話業界で起きている大きなねじれが、そう遠くない将来、一気にはじけるのではないかと思うからです。そうはならないまでも、確実に過渡期である現状からは変化していくものと思われます。
■ゆがんでしまった『フェアな広告』
先ほど書いた、『クリック保証型広告』や、『成果報酬型広告』は、いずれもユーザーが広告主の意図した動作をして、初めて広告料が発生します。ユーザーが一人見に来たら6円、一人入会したら315円、などです。誰が見ているともわからない、費用対効果がはっきりしない通常の広告に比べ、これはとてもフェアで、広告出稿者にとって無駄の無い広告手法に思われました。少なくとも、初めは間違いなくその通りでした。
しかし、今では『まったく広告内容に興味の無いユーザーに、多額の広告費を出費する』という状況になってしまいました。どういうことか。
ゆがみも初めは、かわいいものでした。広告を表示しているサイト運営者がユーザーに興味のありそうなコンテンツのリンクの中に、クリック保証型広告のリンクを混ぜておいて、ユーザーにクリックさせる(俗に言う、『踏ませる』)。例えば、「このクリックのどれかにお宝画像へのリンクがあります」というページに、複数のリンクを設置し、その「お宝画像」以外はクリックあたりの報酬が入る広告へのリンクを設置する、などです。
これは、ユーザーにとってもある種の『インターネットコンテンツの楽しみ方』の範囲でした。
次に出てきたのは、『ポイントバック』あるいはもっと露骨に『現金還元』というものです。つまり、広告を掲載している媒体者のサイトでユーザーがアクションを起こせば、広告収入が媒体者に入ります。それを、その報酬を発生させるアクションを起こしたユーザーと山分けしよう、というものです。
広告出稿者は、単に両者が山分けするお金を無駄に出費するだけで、まったく期待した成果にはつながりません。
そして、公式サイト運営者を悩ませるもうひとつのものは、私は皮肉を込めて『代行決済』とよんでいる、『コンテンツ還元型のポイントバック』です。
どういうものかというと、広告媒体を利用しているユーザーがほしがりそうなものを、その媒体を通してのアフィリエイト成果の対価として、ユーザーにプレゼントする、というものです。
『このコンテンツがほしかったら、ここに掲載しているスポンサーサイトを利用してください。利用をすると、そのサイトの月額利用料などが掛かりますが、その代わりにこのコンテンツをプレゼントします。』というものです。
つまり、広告を出稿している出稿者にとっては、その広告がユーザーと媒体者の間のコンテンツの受け渡しの代行決済をやらされたに過ぎず、全くの無駄な出費どころか、他のサイトの運営に一生懸命協力させられているのです。
こうしたユーザーは当然、登録して即解除します。1ヶ月分の利用料は入りますが、その代わりに月額の1.5倍から2倍の広告料を支払うため、ユーザーが使えば使うほど赤字になるのです。
『きっかけはどうであれ、良いサイトを作れば使い続けてくれる』と考えるのはもはやナイーブ過ぎるというもので、いくらユーザーを獲得しても退会率90%以上などでは、まともなビジネスモデルを築けるはずがありません。
当初フェアだったはずの広告が、気付けば媒体者とユーザーが広告費を山分けするだけであったり、あるいは媒体者とユーザーのサービスの受け渡しの決済手段として使われるだけであったり、広告においては少なくとも主役のはずの(ユーザーが常に主役、ということは承知の上ですが)広告主が、完全に蚊帳の外に置かれてお金だけを出さされている現状を作り出しています。
こんなことが、長く続くはずも無いと考えています。そのため、巨大に成長したアフィリエイト市場なども、この先大きな転換を迫られるときがくるでしょう。
しかし、現状では間違いなく、この市場におけるメインプレイヤーは、公式サイト運営者では無く広告代理店です。
■どの立ち位置で参入するべきか
携帯電話インターネット市場は、この先も確実に伸びます。なぜなら、携帯電話インターネットの開拓率は、ユーザーという視点においても、情報媒体という視点においても、まだまだ大変低いものだからです。アクティブユーザーの多くが10代から20代ということひとつとっても、その層が年を重ねて使い続ければ、自ずと下の層にユーザーが増えてくることがわかります。
また、多くの企業が携帯電話サイトを公開していません。一番身近で一番手軽な情報媒体に企業の情報を提供しないというもったいなさに、気がついていない企業が多いのです。BtoCを専業にしている企業でも、携帯の訴求力を理解していないところが多いのです。
では、そんな将来の明るい市場に、どの立ち位置で参加するのが正解でしょうか。上の例で言うと、公式サイト運営者、広告代理店、媒体運営者、ですが、あと、コンテンツ提供やシステム開発などの制作請負もあります。